ウソツキチョコレート
3 落とした傘、借りた傘
今日は雨だから、チョコをもらいにいけないや。
きっと、ウソツキさんもいないだろうし。
十月下旬。
靴を履き替え、校舎の昇降口で折りたたみ傘を開きながら思う。
最近毎日のようにマンションに通っていたから、まっすぐ家に帰るのがなんとなくもったいないような気がする。
「種田さんて、帰宅部だっけ?」
傘を広げた私の横に、ひょいっともうひとつ紺の傘、そして男の子が出てきた。
「大橋くん」
急な登場にちょっとびっくりしたけれど、大橋くんだとわかり、ホッとする。
「うん、帰宅部だよ」
「ちょうどよかった。一緒に帰ろうと思って追いかけてきたんだ」
なんでそんなにさわやかに、はずかしげもなく言えるのだろう、大橋くんは。
私は内心動揺しながらも、
「え? だって部活は?」
と尋ねる。
大橋くんは、たしかサッカー部のはずだ。
きっと、ウソツキさんもいないだろうし。
十月下旬。
靴を履き替え、校舎の昇降口で折りたたみ傘を開きながら思う。
最近毎日のようにマンションに通っていたから、まっすぐ家に帰るのがなんとなくもったいないような気がする。
「種田さんて、帰宅部だっけ?」
傘を広げた私の横に、ひょいっともうひとつ紺の傘、そして男の子が出てきた。
「大橋くん」
急な登場にちょっとびっくりしたけれど、大橋くんだとわかり、ホッとする。
「うん、帰宅部だよ」
「ちょうどよかった。一緒に帰ろうと思って追いかけてきたんだ」
なんでそんなにさわやかに、はずかしげもなく言えるのだろう、大橋くんは。
私は内心動揺しながらも、
「え? だって部活は?」
と尋ねる。
大橋くんは、たしかサッカー部のはずだ。