ウソツキチョコレート
五階へおりたところで、私は一瞬立ち止まる。
なぜなら、五〇一号室の窓から明かりが零れていたからだ。
「あ」
バカじゃん、私。
ウソツキさんの家を知っているのに、なんでこんなに薄暗くなるまで屋上で待っていたんだろう。
傘を返すっていう口実があるんだし、家を訪ねてもいいはずだ。
そう思った私は、小さな深呼吸をした後でインターホンを鳴らした。
間延びした音が外側にもわずかに響く。
すると、間もなくガチャリとドアを開ける音がした。
「あ、あの、ウソツ……」
玄関のドアが開くと同時に、私は思い余って話しだそうとしてしまった。
けれども。
「あら? 女子高生?」
出てきたのはウソツキさんではなかった。
長い髪を顔の横でひとつに結んだ、キレイなお姉さんだった。
なぜなら、五〇一号室の窓から明かりが零れていたからだ。
「あ」
バカじゃん、私。
ウソツキさんの家を知っているのに、なんでこんなに薄暗くなるまで屋上で待っていたんだろう。
傘を返すっていう口実があるんだし、家を訪ねてもいいはずだ。
そう思った私は、小さな深呼吸をした後でインターホンを鳴らした。
間延びした音が外側にもわずかに響く。
すると、間もなくガチャリとドアを開ける音がした。
「あ、あの、ウソツ……」
玄関のドアが開くと同時に、私は思い余って話しだそうとしてしまった。
けれども。
「あら? 女子高生?」
出てきたのはウソツキさんではなかった。
長い髪を顔の横でひとつに結んだ、キレイなお姉さんだった。