ウソツキチョコレート
『このプリント集めて先生に持っていくの、種田さんでいいんだっけ?』
今度は中学校。
私に話しかけてきたのは、カッコいいなって思っていた宮原くんだ。
『ちょっと重そうじゃない? 俺が代わりに持っていこうか?』
あ、そんなのいい。
それより……。
『あっ!』
強引にプリントを取られた時に手が触れて、私はプリントをバラバラに落とした。
その時期は夏服で、触れられた手の甲から腕に向かって、蕁麻疹がバーッと瞬時に広がるのをみんなに見られた。
『うわっ、気持ち悪い。なにそれ? なに? 俺なにもしてねーよ?』
『なんの病気なんだろ。かわいそう』
『感染るんじゃない? 近付かないほうがいいよ』
宮原くんだけじゃなく、周りのみんなもコソコソヒソヒソ言いながら、あとずさる。
あぁ、私、気持ち悪いんだ。
これからも、ずっとこういう扱いを受けて生きていくんだ、周りに男の人がいる限り。
高校。
高校に行ったら、絶対バレないようにしなきゃ。
男の子とは、絶対関わらないようにしなきゃ……。
今度は中学校。
私に話しかけてきたのは、カッコいいなって思っていた宮原くんだ。
『ちょっと重そうじゃない? 俺が代わりに持っていこうか?』
あ、そんなのいい。
それより……。
『あっ!』
強引にプリントを取られた時に手が触れて、私はプリントをバラバラに落とした。
その時期は夏服で、触れられた手の甲から腕に向かって、蕁麻疹がバーッと瞬時に広がるのをみんなに見られた。
『うわっ、気持ち悪い。なにそれ? なに? 俺なにもしてねーよ?』
『なんの病気なんだろ。かわいそう』
『感染るんじゃない? 近付かないほうがいいよ』
宮原くんだけじゃなく、周りのみんなもコソコソヒソヒソ言いながら、あとずさる。
あぁ、私、気持ち悪いんだ。
これからも、ずっとこういう扱いを受けて生きていくんだ、周りに男の人がいる限り。
高校。
高校に行ったら、絶対バレないようにしなきゃ。
男の子とは、絶対関わらないようにしなきゃ……。