ウソツキチョコレート
そこで目が覚めた。

「また、この夢……」
 
寝ながら流れていた涙を拭いて、ゆっくり頭を傾ける。
時計を見ると、午後五時二十分。
今日は学校を休んで三日目だった。

「はぁ」
 
頭が痛い。
寝ていたのにぐったり疲れている。

すでに熱は引いているのだけれど、体のだるさを理由に休み続けている。
こんなのいけないってわかっているけれど、どうしても学校へ足が向かなかった。
 
ベッドから出て、自分の机の引き出しを開ける。
チョコレートのケースを出して、おもむろに三個同時に口に入れた。

“治るよ”
 
ウソツキさんの言葉を思い出し、口もとが歪む。

「うっ……」
 
ここ数日、泣いてばかりだ。
自分の未来が明るいものには思えなくて、人を信じきれなくて。

「……っぐ」
 
今度は四個まとめて口に入れた。
気持ち悪いのをこらえて、頑張って口を動かす。

ウソツキさんのウソつき。
このチョコ、全然効かない。
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