忘れて、思い出して、知る
「それにしても驚いたなあ。今年やっと新人ちゃんが来ると思ったら二人なんだもん。今年はレベル高いってことかな?」
律はそう言いながらソファに座った。
栞は律の横に腰かける。
「私は妃さん以上に驚きましたよ。だって、聖君は十年前にお姉ちゃんの事件のときに会ったし、沙羅ちゃんなんて私の姪っ子ですからね」
栞の言葉を聞いた遥や律、宙は目を見開いた。
詳しく話を聞こうとすると、ドアが開いた。
「八課のみなさん、仕事です」
入ってきたのは、こちらも新人と見れる一課の人間だった。
「よし、じゃあ新人ちゃん二人のお手並み拝見といきますか」
宙が伸びをしながら部屋を出た。
遥は解いてはいけないと言われたように思え、肩を落としながら行く。
律と栞は聖と沙羅の背中を押しながら部屋を出た。
そんな八課のメンバーの間には、いつも通りの楽し気な空気が流れている。
終