忘れて、思い出して、知る


「本当は事件発生から一ヶ月経っても事件が解決しそうになかったら、八課を呼ぶつて聞きました。でも俺はそれに納得しないし、岡本と一緒に捜査したくて」


「玲斗……!」



栞は嬉しそうに口を塞いだ。


そして、玲斗に抱きついた。



「岡本、痛いよ」



栞が玲斗と楽しそうに騒いでいたら、遥が黙って栞を部屋の隅まで引っ張った。



「真瀬さん?」


「お前、今からなにをするつもりだ」



怒っているようにも取れる声に、足がすくむ。



「……玲斗と一緒に捜査しようと」



すると、遥は呆れてため息をついた。



「ここのルールはなんだ」


「事件発生から一ヶ月後に、捜査に加わるですよね?」


「覚えているだけで、わかっていないのか」


「わかってます。でも、玲斗が一緒にどうかって、言ってくれてるんです。それに、火神さんたち、もう行く気ですよ」



振り返ると、律と宙、玲斗が打ち解けて笑っていた。

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