【短編】こたつとみかん
「つーかさ、」
おつゆをすすった小達が突然話し出す。
「今、俺の方がはるかに身長たけぇじゃん」
「だから何」
キッと彼を睨む。
「うわっ、かーいくねぇな、相変わらず」
「フンッ、」
バカみたいに傷ついた。
一年間、頑張ったメイクは何だったんだ。
可愛くない、好きな人にそう言われたらもう何の意味もないじゃない。
まぁ、私が睨みすぎたのも悪いかもしれないけど。
「だから、小達やめろよ」
小さい頃は私より小さかったから、こいつのことを私は昔から小達と呼んでいる。
「はぁ?だったらあんたも坊やめてよ」
「いや、それは無理だろ。坊は坊なんだから、ずっと」
ほんっと腹立つ。
こいつにとって、私はどう頑張ったって女として見てもらえない。
一年ぶりに会ってもこの反応だし。