幸せの晴れ
第1章
・両親
「陽菜(ひな)、いい子で待っててね。」
「うん。ママ、早く帰ってきてね。」
いつものように仕事に向かった母はそのまま帰ってこなかった…
「おばぁちゃん、ママまだ帰ってこないの?」
時計の針は、6と12をさしている。
いつもならこの時間にママは帰ってくる。
子供ながらにもそれをしっかり覚えていた。
「本当ね。ママ、遅いわね。」
夕飯の準備をしていたおばぁちゃんは、一旦手を止めて時計を確認した。
「お外見てきてもいい?」
「うん、じゃあ見てきてくれる?」
おばぁちゃんの許可を得て私は家の外に出た。