幸せの晴れ
・助けてくれた人
私はこの家を出て行く為に
荷物をまとめようと自分の部屋に向かう。
2階への階段を上ると私の部屋の前に樹が立っていた。
「…お前、妊娠したの?」
そう樹に問い掛けられて、私はコクリと頷く。
「それって…俺の?」
少し不安そうな樹の声。
私はフッと鼻で笑って
「心配しなくてもあんたの子供じゃないから。」
と、冷めた目で樹を見た。
すると樹は安心したような顔をして、私はそれが可笑しかった。
私が樹なんかの子供を欲しがるわけがない。
このお腹の子は、晴也の子供。