幸せの晴れ
たった1度だけ結ばれた、あの夜に授かった子供なのだ。
晴也の子供だから愛しいし、産みたいと強く思うんだろう。
けれど私は、晴也にこの事を話すつもりはないし、
もう二度と会う事もしない。
私は1人で大切な命を育てていく。
持てるだけの荷物をカバンに詰め込んで、
4年間お世話になったおばさんの家をあとにする。
正直、これからの事を考えると不安はあるけど、
こんなにも早くこの家から飛び出せるのが嬉しかった。
入学してから貯めてたバイト代は、
まだ全然少ないけどないよりはマシだと思う。