幸せの晴れ
「すごく綺麗。
清水さん、本当にありがとう。」
「いいえ。
晴陽が外に連れていけるようになったらプレゼント買いに行こう。」
「えっ、いいよ。
このお花で十分。」
清水さんは何も言わなかったけど、ニッコリ微笑んでいた。
最後に誕生日を祝ってもらったのはおばぁちゃんが生きていた頃。
小学6年生が最後だった。
その後すぐおばぁちゃんが亡くなっておばさんの家に引き取られたけど、
もちろん私の誕生日を祝ってくれる事はなかった。
あれから5年が経って私は友達も出来たし、頼れる人も出来た。
好きじゃなかった誕生日が瑞穂ちゃんや新くん、
清水さんのお陰でまた好きになれそうだと思った。