幸せの晴れ


晴陽は店内にある子供が遊べる小さなスペースを指差す。


「うん、いいよ。
行っておいで。」


嬉しそうに駆けて行く晴陽。


私は意を決して瑞穂ちゃんに話し始める。


「私、小さい頃母親に捨てられたって話した事あったでしょ?」

「うん。」

「晴也がね、母を捜してくれて最近会ったんだ。」

「そうなんだ。」

「母はね、私の本当の父親と結婚してて父にも会ったの。」

「うん。」

「私の母は菜々子っていうんだけど、今は名字が芦田なんだ。」

「えっ!?」

「瑞穂ちゃんのお父さんが再婚した相手は私の母で、芦田さんが私の父親だったの。」
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