幸せの晴れ
・晴也
私の進学した高校は男女共学で、それなりに頭のいい学校だった。
ガリ勉タイプの人も多かったけど、割と今風な人も多い。
かと言って、私が誰かと仲良くする事もなかった。
なのに、あの男だけはやたらと私に話しかけてくる。
「陽菜ちゃん、何読んでんの?」
教室の自分の席で読書をしていると、
唯一私に話しかけてくるヤツがきた。
最近、何かと近寄ってくる。
私は軽く無視をすると、
「陽菜ちゃんは冷たいよな。
少しぐらい話してくれたっていいじゃん。」
口を尖らせて私を見ている。