幸せの晴れ
カーテンのすき間から差し込む月明かりが、
私と晴也を優しく照らす。
晴也は私の全身を撫でるように指を滑らせた。
「…ンっ。」
恥ずかしいけど、もれてしまう声。
「陽菜…。」
「…晴也。」
お互いの名前を呼びながら、私達は一つになった。
今までの私はこの行為が苦痛なモノでしかなかった。
けれど、好きな人とならこんなにも幸せな気分になれるなんて。
一時だけでも私が幸せを感じる事が出来て本当に嬉しかった。
けれど、私達は『好き』だとか『愛してる』って
言葉にする事はなかった―――