きんぱち!
私は怖かった。
この曲を吹いていく上で、トロンボーンパートがうまくいかなかったら?
金賞をとるには、先輩たちを越えなきゃいけない。
私たちにそれができるの?
でもそれらはあくまで、私の個人的な意見でしかなかった。
本格的に練習が始まった。
トロンボーンパートは、高音が多い、1番(ファースト)と、
低音が多い、2番(セカンド)の二人しか出られない。
メンバー決めのオーディションを受けなければならない。
比べてトロンボーンパートは、一年生二人、二年生3人と5人もいる。
一年生はだいたい出られない。
問題は、二年生3人。
私と、在原 実紗(ありはら みさ)と、城島 浩郎(じょうじま こうろう)。
城島は去年出場してて、1番の楽譜を暗譜してる。強敵だ。ちなみにかなりレアな男子部員。
在原は高音を得意としている。でも正直そんな上手じゃない。練習中も、
すぐ遊びに行っちゃうから、嫌われ者部類。
だから彼女はパートリーダーになれなかった。
そしてついに、冬の熱い戦いだ幕を開けるー