愛のカタチ


仁と丈嗣は高校に入ってすぐ彼女ができた。

なんとなく寂しい気はしていたけど
あんな田舎で育った割に
ちゃんとしたコミュニケーション能力と
ある程度のルックス
新しい環境。
彼らにとっての女の子の概念が
大きく変わった高校入学。


だけど
仁はどんどんやさぐれて
丈嗣はどんどんひねくれて。

私の前では変わらない2人。
学校で見る私の知らない2人。

嬉しいような
寂しいような。

当たり前のように彼女を紹介してくる2人。

2人の彼女にはじめは
「仲良くしてね」
と友達が増えたと喜ぶけど
私たち3人の関係は変わらなくて
彼女たちは、私を当たり前によく思わない。


そんな中、北海道の短い秋が終わる頃
私にも仲のいい男友達が出来て
初めての彼氏ができた。

初めての彼氏の名前は
郁弥(フミヤ)

もちろん幼馴染の丈嗣と仁を紹介して
4人で遊んだり
それぞれの彼女と6人で
遊びに行ったこともあった。

だけど、
いつも以上にベタベタしてくる丈嗣と仁。

郁弥はいい気はしなかっただろうに
「優莉の大切な人は俺も大切」
って、丈嗣と仁と仲良くしてくれた。

それなのに私は、
郁弥を裏切る。
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