同性愛者。
「あんたに話してよかった! まさか、そんなにいい情熱を持ってたなんて。意外かも」
千佳先輩のセリフに、あたしは思わず「え?」と言う。
情熱?
そんなものはないんですけど……。
千佳先輩は止まっていた足を動かす。
あたしも歩きだした。
「だって、私が困ったら咲に相談してもいいんでしょ?しかもテニスのことで。これは、やっぱり情熱家でしょ?」
「え…あ、はぁ……?」
あたしの頭の中は未だに「?」を浮かべていた。
まあ、なんとなくは分かったんだけどなぁ…?
「でも、嬉しいなぁ」
千佳先輩は空を見上げて言う。