同性愛者。
「咲も元気になってよかった!」
ニコニコと笑う千佳先輩。
あたしは顔を赤くするばかり。
「千佳先輩、今日はありがとうございました」
「いやいや。私が楽しみたかっただけだから」
千佳先輩の言葉、一つ一つが胸の中に染み込んでいく。
優しく優しく、染み渡っていく。
観覧車が頂上を過ぎ、あと少しでおりないといけないところまできていた。
……そうしたら。
ボロボロと目から零れていた。
涙が……。
「……咲?」
千佳先輩が心配したような顔をしている。
「す、すみませんっ!大丈夫です!」
あたしがそういうと、千佳先輩は黙ってあたしをみる。