同性愛者。
あたしは俯いて、静かに口を開く。


「……あ、あたし…。同性愛者…なんです……」

「同性愛者?」


千佳先輩は目を丸くしていた。

あたしは続ける。


「あたし、女の人しか愛せないんです。男の人が苦手なのもありますけど。 だけどあたし、千佳先輩をそういう目で見ちゃって、どうしたらいいのか分からなくて……!」


私は涙を流す。


気がつけば、観覧車も頂上に近づいていた。


「咲、顔をあげて」

「……はい…」


あたしは言われたとおりにすると、目の前に真剣な顔をした千佳先輩が目に映った。
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