同性愛者。
「……まさか。高校でサッカーなんかしないつもりだったって」
「あくまであたしのイメージだから。気にしないでね」
そう言って、にっこり笑う。
晴彦くんは思わず溜息。
「……お前にはいつも負けてる気がする…」
「なにに?」
あたしはそう聞くが、晴彦くんは「いろいろと」と言う。
いろいろってなに?
というか、あたし、晴彦くんに勝ったとか、そういう記憶がないのですが…。
すると、曲がり角に差し掛かる。
「じゃあ、あたしはこれで」
「おう。テニス、頑張ってね」
晴彦くんはにっこり笑ってそう言う。
あたしもにっこり笑う。
晴彦くんと別れて歩く。
久しぶりに会って、なんかよかったなぁ。