同性愛者。

秋谷先輩が私に近づいて、小さな声で言う。


「……あの子、なにをしだすか分からないから、見張っておいてくれない？」

「見張る？ 今はなにもしてないからいいじゃないですか」


私がそう言うと、秋谷先輩は小さく首を横に振る。


「いつ感情が爆発するか分からない」


秋谷先輩はそう言って、私の肩をたたいた。

そして、その場から去る。


「……なんでよ……」


私は拳を握りしめ、その上に小さな涙を落とす。

悲しくて
悔しくて


咲のことは好き。

だけど、それは偽りの愛で。


私はどうしたらいいのか分からない。

ワカラナイ。


私の好きな咲は一体……
誰なのだろう……。