同性愛者。
「早く着替えてね~」
千佳先輩の声が胸の中に浸透する。
胸の中がキュンとした。
……これ、あたし。
また、いつもの悪い癖が……?
お、抑えないと。
あたしはそう思いながら、早く着替えることにした。
千佳先輩とは家がわりと近かったみたい。
方面も場所も。
ちょっと嬉しくなってきた。
「咲は、テニス好き?」
「え?」
あたしは思わず聞き返す。
テニス?
テニスよりあなたのほうが……。
あ、いや、なんでもないや。
あたしは咳払いをして言う。