同性愛者。
二階の千佳先輩の部屋に入ると、いい匂いが広がった。

……落ち着く、いい匂い。

あたしは座り、千佳先輩がくるのを待った。


……今からなにかするのかな…?

も、もしかして、口には出していえないこととか、
世間からはあんまりいい目でみられないこととか、

……そんなわけないかあ。
あっははは……。


あ、でも…。

千佳先輩とやけにギクシャクしているのは確かなんだ。


あのとき。
あたしがちょっとだけ過去を言った

あの日から……―――


それが嫌なんだ。
胸が痛くなる。

どうして、
人を殺しかけたことが
そんなにもいけないことなの?

どうして……?
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