同性愛者。

「そりゃ、中学生の時からやってますから。それなりに好きだとは思いますよ?」


あたしのセリフに、千佳先輩は「そっか」と嬉しそうに笑う。

あたしの胸はキュンとするばかり。


「嬉しいな。咲がテニス好きで」

「え?」


私は千佳先輩の言ってることがいまいち分からなくて聞き返す。


「三年も二年も、嫌いって言う人が多くって。それ、なんだか許せなくて。だって、嫌いだったら辞めたらいいじゃない」


千佳先輩の言うことに、なんとなく同感。

あたしも、頷いてみせた。
< 8 / 87 >

この作品をシェア

pagetop