同性愛者。
離れる
翌日。
私はちょっと早めにテニスの練習をしていた。

少しだけ、汗をかいている。


「あの、千佳先輩」


そんな声がして振り返ると、テニス部の後輩(咲と同い年の子)がいた。

私は練習を一旦やめて「なに?」と聞く。


「千佳先輩。最近、咲に構いすぎです」

「え?」


私は目を丸くすると、後輩は小さく頷く。


「咲はテニス上手いし、贔屓気味になるのは分かりますけど、もう少し周りをみないと…大変なことになると思います」


後輩のセリフに、私は「分かった」と言い、練習をすることにした。


……やっぱり、私は咲に構ってる?

最近ひどくなったの?

そうじゃないって、言い聞かせたい。
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