チェーンソーの警報
なるべく、家から離れたくなかった。

幸い、庭には大小様々な雑草が伸びている。

私はそれを利用して、隠れると隙間から玄関を覗く。

ちょうど犯人が出てくるところで体を強ばらせた。

犯人と私との距離は約3mほど。すごく近いのだ。

なるべく息を潜めていたが、やはり音は出てしまう。

草が擦れる音で見つかってしまった。

笑いながらあの血が滴るチェーンソーを持ちながら近づいてくる。

まただ。足が動かない。

もう義母も殺されてしまった。

私は死ぬ。助かる道など…………

あった。

見知らぬ人が私の手を掴んで走り出したのだ。

ものすごいスピードだ。私が手を離せばとばされそうなほどに。

ふと後ろを見ると、犯人も負けてはいなかった。

あんなに大きなチェーンソーを抱えているにもかかわらず、まるでチーター同士がリレーを行っているようだ。

何より不気味なのが、犯人は汗1つ書いておらず、ただ笑いながら走っていること。

あいつは絶対にイかれている。私は今確信した。

奴は人間ではない、と。


< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop