キミがくれたコトバ。
40.7
颯磨くんがいなくなったことで、放送室は大変なことになっていた。
最初はみんな、颯磨くんから何かのサプライズがあるのではないかと期待していたらしいが、勿論、そんなはずはない。
何分しても戻ってこないから、みんなが異変に気が付き、颯磨くんを探し始めた。
そして、放送は一時中断となっていた。
「まずいな。」
大輔くんが言った。
「そうだね。このままだと、2人の邪魔が入る。」
せっかく、ここまで僕達が頑張って二人きりにしたのに。
上手く、乗り切るには……、
「大輔くん、颯磨くんの連絡先、教えて!」
「え?」
「僕が颯磨くんに今の状況を連絡して伝える。」
大輔くんは社交的で、一度関わった人の連絡先は、全て持っているらしい。
だから、僕の連絡先も彼のスマホには入っているし、颯磨くんの連絡先も、当然、入っているだろう。
「俺がやるよ。」
大輔くんの言葉に、僕は首を振った。
「僕の方が良いと思う。あっ……、勿論それは、大輔くんが頼りにならないとか、そういう意味じゃなくてっ……!」
「大丈夫。そういう意味でも、そういう意味じゃなくても、確かに澄春の方が良いよな。」
大輔くん……。
「頼んだぞ。」
僕は力強くうなづいた。
僕は日奈子ちゃんが好きだから。だから、2人の邪魔は排除したいと思う。
でも、それだけじゃない。僕は……、
颯磨くんと、もっと話してみたい。
こんな形で出会ってしまったから、今までなんとなく敵対視していて、話すことなんてなかった。
でも、僕達は似ている。
勿論、颯磨くんの方が正義感が強くて、何があってもブレないし、勇気がある。
僕は、直ぐにブレるし、勇気だって、ほんの少ししかない。
ただ、同じ人を好きになった。
そして、助けようと思った。
そこは同じだ。
だから僕は、君と、友達になりたい。
大輔くんが僕に、颯磨くんの連絡先を送った。
画面に、
“水瀬 颯磨”
の文字が現れる。
少しだけ手が震える。
そして僕は、文字を打ち始めた。
颯磨くんがいなくなったことで、放送室は大変なことになっていた。
最初はみんな、颯磨くんから何かのサプライズがあるのではないかと期待していたらしいが、勿論、そんなはずはない。
何分しても戻ってこないから、みんなが異変に気が付き、颯磨くんを探し始めた。
そして、放送は一時中断となっていた。
「まずいな。」
大輔くんが言った。
「そうだね。このままだと、2人の邪魔が入る。」
せっかく、ここまで僕達が頑張って二人きりにしたのに。
上手く、乗り切るには……、
「大輔くん、颯磨くんの連絡先、教えて!」
「え?」
「僕が颯磨くんに今の状況を連絡して伝える。」
大輔くんは社交的で、一度関わった人の連絡先は、全て持っているらしい。
だから、僕の連絡先も彼のスマホには入っているし、颯磨くんの連絡先も、当然、入っているだろう。
「俺がやるよ。」
大輔くんの言葉に、僕は首を振った。
「僕の方が良いと思う。あっ……、勿論それは、大輔くんが頼りにならないとか、そういう意味じゃなくてっ……!」
「大丈夫。そういう意味でも、そういう意味じゃなくても、確かに澄春の方が良いよな。」
大輔くん……。
「頼んだぞ。」
僕は力強くうなづいた。
僕は日奈子ちゃんが好きだから。だから、2人の邪魔は排除したいと思う。
でも、それだけじゃない。僕は……、
颯磨くんと、もっと話してみたい。
こんな形で出会ってしまったから、今までなんとなく敵対視していて、話すことなんてなかった。
でも、僕達は似ている。
勿論、颯磨くんの方が正義感が強くて、何があってもブレないし、勇気がある。
僕は、直ぐにブレるし、勇気だって、ほんの少ししかない。
ただ、同じ人を好きになった。
そして、助けようと思った。
そこは同じだ。
だから僕は、君と、友達になりたい。
大輔くんが僕に、颯磨くんの連絡先を送った。
画面に、
“水瀬 颯磨”
の文字が現れる。
少しだけ手が震える。
そして僕は、文字を打ち始めた。