君の笑顔を見たいだけ


いつもと同じ断り方。

今月に入ってから3~4回告られた。


俺なんかのどこがいいんだろう?

槙田さんは、両手で目を隠し震えていた。


「ねぇ、相原くん・・・。」


赤い目をして、槙田さんはこう言った。


「迷惑じゃないなら、まだ好きでいていいですか?」

「人の気持ちを自由だから、どうこう言わないよ。でも、片想いなんて苦しいだけだよ・・・。じゃあね。」


そう言い残して、教室に戻った。


ガラッ


「おかえりー。」

「なに?また告白?」

「うん。」

「で、どうしたの?」


楓が聞いてきた。


「別に、いつも通り断ったよ。」

「そう。」


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