私が恋した愛しい彼。
きっかけ。
ジジジジジ

蝉が鳴いて、夏を感じさせる7月。



「あっつ…。なんで体育館にはクーラー付けないんだろうね。」

隣に座っている香世ちゃん。



校長先生の話が長くて、終業式って嫌になる。




「ですから皆さん。今年は…」



さっきも言ったようなことをまた繰り返す校長。


まるで私の家のおじいちゃんみたいだ。












それから校長のお話しが終わったのは、40分後で終わった瞬間の生徒のため息はすごかった。





「みいちゃんと香世ちゃんは夏休みにどんな予定がありますか!?」


奈々ちゃんがグイグイとくる。



「私は家でゴロゴロするー。」


香世ちゃんはやっぱり平凡で…。


「みっちゃんはー?」



すぐに話題の矛先は私へと向けられる。


「先生の用事とかあるから、ラッキーなことに7月は部活ないんだ。8月は毎日朝から晩までだけどね。だから、7月は遊びに行こっかなーっと思いまして。」




ほえー!どこにどこに?!とグイグイくる奈々ちゃん。



「韓国だよ。」








そうなんです。
実はライブのチケットが当たったんですよ。
ソジュンさんに会えるんだ。
いひひっ、たのしみだなぁ。


実は韓国に引っ越した日韓ハーフの幼馴染がいて、その子がうちにおいでって言ってたくれたから、初めての韓国だけど苦労しなさそう。


まぁ、韓国語は頑張って勉強したから…!
韓国の人で日本語をはなせるひとも街にチラチラいるらしいし。






はぁあぁぁぁぁあ。たのしみ。





「おーい、みいちゃんー?ぼーっとしてるよー?」



「はい!ん、あ。大丈夫だよ!」



ヤバい顔が熱い。







「おい、お前らー。話聞けよ。これから夏休みだけど、羽目を外しすぎないようにな。終わり。帰っていいよ。」




と、教室に入るなり静まり返らせる先生。
ある意味才能ですよね。
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