私が恋した愛しい彼。
その後、落ち着いた私ははぷなにドーナツを奢って家に帰った。


私は食欲が湧かなかった。





ガチャ



「ただいまー。」






リビングに入れば、パジャマ姿の兄がいた。



「お兄ちゃん、今日もバイト?」


「うん」





兄とは2歳差で、兄は中学生の頃から不登校になっていた。



なんとか高校に入れたものの、1年も経たずに出席日数が足りず、退学に。



今はバイトをしている。






「(家にあんまりいたくないなぁ、今更だけど。)」





手を洗い、すぐに自分の部屋に行く。





家での唯一の居場所。





「ソジュンさんっ!」




ソジュンさんが私のことを待っててくれてるなら、帰ってくるしかないよね。うん。




タブレットを取り出し、音楽を鳴らす。






ソジュンさんのパートがくるたびに騒いでしまう。



「ん…。待てよ?明日出発だから、準備しなきゃいけないよね。」




韓国に行く準備。



飛行機って、何気に乗るの初めてなんだよね。。。


家族で旅行なんてしたことないし。



新幹線に乗ったのだって、中学生の修学旅行が初めてで。







できるだけこの家にいたくないから、ライブは1日だけだけど、2週間韓国にいることにした。


その間、お母さんになにもないといいけど。


お母さんは気が弱い人だから、、帰ってきた時にこの世を絶ってるんじゃないだろうかと心配にもなる。


次に父親から怒鳴られたら、離婚も考えてるって言ってるし。




父親は自分が貰ってきた給料を自分のお小遣いにする。


酷いときは、お母さんから取る。



お母さんの稼ぎが少ないにも関わらず。



だから、正直生活していくのがやっと。








今回韓国に行けるのは、小さい時から私は貯金をする子だったから、月々にお母さんから貰ってきたお小遣いやお年玉を貯めてきていたから。







私が父親みたいにすぐに使う人だったら、ソジュンさんに会えていなかったよ。



















やっと、明日。
< 18 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop