私が恋した愛しい彼。



私が中学に入って父親はさらに変わった。


お金の扱いは酷くなり、休日は1人でよく出かける。




「今日バンドあるから。」




と言って、出かけた日は基本女と遊んでいる。



母も知っていた。





でも、言うとまた怒鳴られるから。




どうすることもできなかった。







母が父親から怒鳴られているのに、私はどうすることもできなかった。助けてあげられなかった。母は泣いてるのに。



そんな自分が憎かった。




だから、強くなりたいって思った。



でも、やっぱり思っただけで、行動に移すことができなかった。




もうやだ。














私の体の中にある血には、父親の血が混ざってると思うと、苛立ちや悲しみがこみ上げてきた。
何度も吐いた。












きっとどこに逃げても、隠れても、父親の血が体中を巡っていることは事実なんだって、思い知らされた。













兄も母も言っていた。


「大きな声を出す人が嫌い」

って。



私もそうだ。






きっと、父親せいだろうって思った。
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