私が恋した愛しい彼。
「アイロンと、クシと……お菓子も入れなくちゃ!」



せっせと旅行の準備をする。


バタバタと慌しく、1階へ駆け下りる。



リビングの時計を見れば、もう6時で兄はもうバイトに行っていた。




「お菓子ー、どこに置いたっけ。まとめておいたはずなのに。」



リビングに置いてあるお菓子箱を見ても兄や母のお菓子しかはいってなかった。





ガチャ




「(まさか。)」




後ろには、父親がいた。
最悪。


「お、おかえりー。」



そう言っても返事は返ってこない。



まぁ、いつのこと。



だったら、言わなきゃいいじゃんって思うよね。







言わないと、怒鳴られるから。







「何探してんの。」



父親が低い声で話しかけてる。
話しかけないでよ。



「私のまとめてたお菓子、知らないかな?」



顔を合わせないように、ずっと探してるフリをする。



「ああ、俺食べた。」









はい?

なんなのホントに。
コイツありえない。
自分で買ってきたらいいじゃん。
ホントにわけわかんない。




「…そ、そっかー、なら仕方ないね。」




お前のならお前のって言えよと逆ギレされる私。




言い返す力と勇気が欲しいよ。






仕方ない、買いに行くか。と、財布を手にコンビニへ行くことにした。






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