私が恋した愛しい彼。
週末。




「えー!その服で行くの?!」


大きめの白い半袖に、黒のスカート、赤のハイカットシューズに、黒のキャップ。
それに大きめのリュック。





「だめかな。結構気に入ってるコーデなんだけど。」






今日は、週末だからオーディションがある日。



受けるだけ、受けることにした。


双子がソジュンくんと会えるって言うから。



「え、良くない?俺は好みだよ?」



聖くんとはファッションセンスが合う。



「だって、オーディションだよ?!もっと肩出しとかして、露出した方がいいでしょ?!」



私をなんのアイドルにする気なんだろう、この子は。



「いいよ、これで。「オーディション受ける子たちはもっと派手なコーデしてくるよ!浮いちゃうかもよ!?」…コーデは変えないけど、髪型だけ変えてくるよ。」




そういって渋々と鏡の前に立つ。





作っていなかった前髪をバッサリと切り、ぱっつん前髪に。重いイメージにならないようにシースルーバングにする。
腰までは行かないが、相当伸ばした髪をゆるくふわっと巻いて……







「みいちゃん!?全然違う人みたい!可愛い!!」





まぁ、将来美容師希望ですから。



前髪を切るの失敗したけど。






「うわー!もっと、俺好みだ!」




顔は下の中くらいですけどね。







「んじゃ、行こ!案内するから!」






きっと受からないだろう。

でも、もし受かったら……。






「みいちゃん、変なこと考えてる?」



ひょこっと顔を除いてくる千聖ちゃん。



「べ、別に。」






そうだ。
考えたって何にもならない。





「行こっか!」




炎天下の中、外へと踏み出した。


















この時、アイドルになるきっかけを作ってくれた千聖ちゃんと聖くん。そして、プロデューサーさんやソジュンくん。ありがとう。
このきっかけが、こんなにも多くの人を笑顔に出来るなんて考えてもいなかったよ。
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