私が恋した愛しい彼。
出会い。
案外あっさりした合格を貰った私。

よかったじゃんという双子はさておき、





韓国アイドルとして活動することになるんだよね?


つまり、韓国に住まなくちゃいけない。

韓国に住むことは嫌じゃない。むしろ住んでみたい。





じゃあ、学校は?
今まで住んできた家は?
お兄ちゃんとお母さんは?









不安で不安でたまらなかった。









いっそ辞めしまおうか。




事務所のトイレの前で泣いた。







私には、選択なんてできないよ。






コツコツ…

人が歩いてくる音が聞こえる。

やば。

気づいた時にはもう遅くて、涙も拭く余裕なんて見つかってしまった。



「あ、さっきのすごい子。」



頭の上から降ってくる声は、聞き覚えのある優しくて落ち着いた甘い声。


「ソジュンくん…。」

見上げるとそこには私の大好きな人がいて、、気持ちがいっぱいな私は考える余裕なんてなかった。


「ど、どうして泣いてるの?…悲しいの?」



おどおどしているソジュン。
実はシャイなのかな?

ダメだよね、泣いてちゃ。ソジュンくんに嫌われちゃう。


「すみません、なんでもないですよ。」




口角を上げる私。
必死に笑顔を見せる。
笑いたい気分じゃないけど。


「…どうして笑うの?泣きたい時は泣いた方がいいよ?」



頭に温かいソジュンの手が乗った。


1番されたくないこと。

…なはずなのに。


ソジュンさんはなぜか大丈夫で、安心して、、この人を知りたいと思った。クラッシャーのソジュンくんではなく、1人の男性として。








「ソジュンくん。もう大丈夫ですよ、ありがとうございます。」


涙でよく前が見えていなかったけど、涙を拭いてソジュンくんをみたら、ポスターや写真とは違った、もっとかっこいい整った顔があった。



やばい。また泣きそう。


ってか、今目が合った!!?


顔っ、変な顔してないかな?
ニヤけてたりとか。


「みいちゃんだっけ?顔赤いよ。」



と、さりげなく言われる。
もう言わないでよ、恥ずかしいから。

「さっきのダンスすごかった。歌も。それに、俺そのファッションが1番好き。」



微笑みを浮かべながら淡々と語るソジュンくん。
それ以上褒めないで爆発しちゃうよ!




「だって、ソジュンくんがこのファッションが好きって雑誌に書かれてあったから。」



そう。
私はソジュンくんの好みに近づけるようにしているなら、もちろんファッションだって。
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