私が恋した愛しい彼。
私の教室は1番端っこの3階にある。
その教室には実は同じ部活の子がいる。まぁ、その子は私の愚痴を言うわけでもなく、だからと言ってイジメてくる人達のことを嫌ってるって訳でもない。

誰にも興味がないみたいな?



ガラガラガラ




「おはよー」




一番最初に目が合ったのは……



「みいちゃーん!おはよーーー」




ぎゅーっと飛びついてくる奈々ちゃん。



「抱きつかないでー」



苦笑いしかできない私。

奈々ちゃんは、146cmしかない声も見た目も行動も可愛い女の子。

他の子がぶりっ子をすると、うっ…ってなるけど、奈々ちゃんがしても違和感がない。というか、ぶりっ子だと思わない。


「あー、みっちゃんおはよー。」


The普通なこの子は香世(カヨ)ちゃん。


移動教室とかはこのメンツでよく行動してる。



喋るのが得意じゃない私にとっては、このメンツは安定で丁度いいと思う。





とりあえず席に着くと、「おっ」っと横から声がする。


「みいちゃんおはよ。」


椎名くんだ。椎名 舞(シイナ マイ)くん。



「お、おはよ。」


ジロジロと見てくる。
穴が開くんじゃないかってくらい。




男嫌いがバレないようにそれなりの対応をするのが大変だ。




「今日は髪、下ろしてるんだね。」



ハッと気づき髪を触ると、
いつも結んでいる髪は下ろされていた。


あれ?部活の時は結んでいたっけ?



「髪下ろしてる方が俺は好きだな。」




??!

よくもそんな恥ずかしいことが言えるな。


「あ、あはは…」


一歩下がり、席についた。









学校で人気の椎名くん。顔はかっこいいってほどかっこよくはないけど、勉強ができないほどではないけど、運動神経がよくて、人に対する対応がいいと生徒から先生まで。女子なんかとくに。








だから、私もたまにドキってしてしまう。


男って、自分勝手で強情で大きな声で悪さばっかりするのが普通だと思ってたけど、椎名くんみたいな優しくて静かな人がいるって知ったら、ちょっとは男の人のイメージも変わった。


ま、ソジュンさんには叶わないけどね。


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