私が恋した愛しい彼。
「ねぇ、みいちゃん。今日からテスト期間だから部活ないよね?」


椎名くん、何を言い出すの。



「うん、そうだねー。勉強頑張んなくちゃー。」


学年一位をキープしなければならないし!ソジュンさんは頭のいい女性が好きって言ってたし!頑張んなくちゃ!


「もし良かったらさ、勉強教えてもらえないかな?」






は?




うん、何言ってるんだろこの人。






「他に頭のいい人なんていっぱいいるよー!ほら、先輩とかさ!」



二人きりとか言われたら私、この教室から飛び降りるよ。わりとまじで。…下はプールだけど。




「この前の授業でみいちゃんから教えてもらって、すっごくわかりやすいなーって思ってさ。ね?」



ね?じゃなくてさ。
いくら椎名くんでも男の人はやっぱり怖いんですよ。

でも、私は断れる性格じゃない。。
きっと将来はオレオレ詐欺とかに引っかかるんだろうな。


「わ、わかった。…でも、友達も一緒でいいですか?」




「出来れば、二人の方がいいんだけど。みいちゃんどうせ、違う子に付きっきりで結局俺に教えてくれなさそう……」



「んじゃ、1時間だけ、ね?放課後までに分からないところまとめておいて!」



言ってしまった……


「やっ、やっぱり…「ホントに?ありがとう。」いや、あ、うん。」



やらかしてしまった。

言ってしまったことを今更後悔する。

断れなくなったぞ。



親からLINEが来たフリをして、今日はダメって言うか?

いや、見せてって言われたらどうしよ…


あ。




「あ、あー!椎名くん、やっぱり今日ダメかも。友達の家に行くんだった。今日は15日だよね?」



これでどうだ。

何日か確認することで、結構前に約束してて忘れちゃってた、てへぺろ。みたいな雰囲気を……!




「みいちゃんって嘘ついたことないでしょ。下手すぎ笑





そんなに俺のこと、嫌い?」





う、上目遣いって…。
ソジュンさん以外にも上目遣いが上手な人がいたなんて……



「う、嘘ついたことあるよ!いっぱい!」



って、さっきのが嘘だってバレたくないからってこの言い方はなかったよね。
やらかした、ただの最低なやつじゃん。

まぁ、愛想笑いとかしてる時点で嘘つきか。




「ははっ、嘘つきだったんだ?みいちゃんは将来悪い子になるな。」



はははっと、馬鹿にしたように笑う椎名くん。




「ちょ、椎名くんが笑ってる!」
「何気に見たことないよね!?」


と、クラスの男女がざわめく。



確かに、話してる時とかよく笑うけど笑い声とか聞いたことなかったかも。





と、同時に




「ほらー、席につけー。」




クールで無口だけど、口を開けば毒舌な担任が入ってきた。
たまに面白いこと言うから好きなんだよね。



雰囲気がソジュンさんみたいだし!







消しゴムのケースをそっと外して、消しゴムに貼ってあるソジュンさんを見つめた。



ま、ソジュンに叶う人なんて、メンバーの人にもいるかいないかぐらいだけどね。





すぐにケースを元に戻し、筆入れへとしまった。





ちなみに私がクラッシャー(ソジュンさんが入っているグループの名前)が好きなことは誰にも言っていない。






ってか、生徒会長になる子ってなぜか噂されてるし。
ってか、まだ高1だから無理じゃないか?来年ならまだしも……








あぁ、ソジュンさん。

早く会いたいです。
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