人面瘡
2人で教室へ入ると、すでに沙和は登校して来ていた。


雄生と2人でいるあたしを見て沙和が目を見開いた。


自分の机に鞄を置いていると、すぐに沙和が駆け寄って来た。


「ちょっと、さっそくいい感じじゃん!」


あたしの耳元でそう囁いてくる。


「別に、偶然下駄箱で一緒になっただけだし」


あたしは慌ててそう言った。


そりゃあ、偶然でも一緒に来られたことはとっても嬉しかったけれど。


「早速効果が出て来たんじゃないの?」


沙和はそう言い絆創膏へ視線を向けた。


「あれ、でも付け替えた?」


「うん。昨日お風呂で取れちゃったからね」


「ジンクスは?」


そう聞かれると、頬がポッと熱を持った。


そんなあたしを見ただけで沙和はすべてを察したようで、ニコッと笑った。
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