人面瘡
☆☆☆

雄生が家に来てくれたのはそれから10分後のことだった。


「どうしたアズサ。まだ体調がよくないのか?」


沈んでいるあたしに、雄生が心配そうにそう声をかけてきた。


「ううん、そうじゃないの」


あたしはそう言い、リビングのソファに座った。


「雄生にちゃんと話さなきゃいけない事があるの」


「なんだよ改まって。別れ話か?」


雄生がしかめっ面でそう聞いて来た。


「そんなんじゃない……」


あたしはそう言い、包帯に手を伸ばした。


雄生はこれを見たらあたしのことを嫌いになるかもしれない。


もう一緒にはいられなくなるかもしれない。


そんな不安をグッと胸の奥へと押し込めた。
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