人面瘡
「ほら、これを見てみろよ」


そう言ってスマホを渡された。


表示されていたのは《簡単な呪いのかけ方》と書かれたサイトだった。


あたしは目を丸くして書かれていることを追いかけて行く。


《傷口から呪いが入り込み、人面そうとなって相手を苦しめる方法》


そう書かれた呪いの方法は、絆創膏に名前を書いて貼らせるというものだった。


あたしは信じられなくて何度もその文面を読み直した。


「こんなの嘘でしょ?」


「嘘じゃない、ちゃんと見ろよ。アズサは沙和に騙されてたんだ」


「だって、なんで沙和があたしにこんなことをするの?」


思わず声が荒くなってしまう。


沙和はあたしにとって一番の友達だ。


いつも一緒にいて、学校を休むと必ずメールをくれる。


優しくて、大好きな沙和。
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