人面瘡
屋敷
おつねと言う女は100年も前に殺され、体をバラバラに埋められたようだ。


おつねの体が発見された場所にはそれぞれ墓石が建てられて、手厚く供養されている。


けれど、おつねの顔だけは現代でもまだ見つかっておらず、供養することもできないままでいるらしい。


それが呪いとなり、現代まで息づいているのだ。


「おつねの顔を探し出せばいいってこと?」


あたしがそう言うと、雄生は「そうかもしれない」と、頷いた。


けれど、なんのヒントもないまま顔を探す事なんて不可能だ。


だいたい、この事件は一体どこで起こったものなのかもわからない。


こんな都市伝説的な噂話ではなくて、もっと詳しい情報が必要だった。


そう思った時だった。


図書館のエプロンを来た女性があたしたちを気にしているのがわかった。
< 128 / 204 >

この作品をシェア

pagetop