人面瘡
地図上
それからあたしたちは雄生の家に来ていた。


今日は両親が出かけていて戻って来ないらしく、そのまま泊まることになった。


雄生の部屋に入るのは久しぶりで、ドキドキしてしまう。


部屋に入った瞬間、あたしは雄生の香りに包まれた。


いつも隣にいたのに、懐かしいと感じるこの香り。


「結構綺麗にしてるんだね」


部屋の中を見回してそう言うと、雄生は照れたように「ジロジロ見るなよ」と言って来た。


黒と白の家具で統一された部屋は清潔感があった。


あたしは雄生のベッドを拝借してそこに横になった。


体がフワフワと空中に浮かんでいるような感覚がある。


完全な貧血状態だ。


「これ飲めよ」


そう言って出してくれたのは鉄分を補給できる栄養補助食品だった。


「ありがとう」


ゼリータイプのそれを受け取りひと口飲む。
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