人面瘡
子孫
学校から春子の家までは徒歩で15分ほどの場所にあった。


商店街の一番奥の、一番大きな家。


「春子と連絡は取れたか?」


雄生の言葉にあたしは頷いた。


これから用事があって家に行くと連絡しておいたのだ。


家の近くまでやって来ると、春子が出てきてくれているのが見えた。


「ごめんね春子」


あたしは春子に駆け寄ってそう言った。


「こっちは大丈夫だよ。でもどうしたの、2人してあたしになにか用事なの?」


春子は不思議そうな顔を浮かべている。


「ごめん、今日は春子にじゃなくて、家の人に用事があるの」


「家の人って……お父さんとお母さんのこと?」


春子は余計混乱し、首を傾げている。


「うん。本当に大切な話なの。お願いできないかな」


「わかった。ちょっと聞いてくるね」


春子はそう言って、家の中へと入って行ったのだった。
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