人面瘡
お墓参り
春子のお父さんが言った通り、お墓はすぐそばにあった。
商店街を通り抜けた先にある小さな丘。
その丘の上全部が杉原家のお墓だったのだ。
見晴らしがよくて風当たりのいい丘の上のお墓は、とても綺麗に手入れされている。
飾られたばかりに見える花は生き生きとしているし、雑草も見当たらない。
その墓の奥の方に小さな墓石があり、あたしたちはその前で足を止めた。
「これがおつねの墓だよ。他よりも小さくしてあるのは、墓を荒されないためだ」
春子のお父さんの説明に、あたしはまた胸が痛んだ。
死んでからも人々に恨まれるというのは、墓も所在までひっそりとさせなければならないということなんだ。
おつねは今だに息苦しい思いをしているのかもいれない。
それなら、早く開放してあげたい。
頭部を見つけて、楽にしてあげたい。
その思いから、あたしはおつねの墓に手合わせた。
その瞬間……。
「私はまだ死んでない!!」
商店街を通り抜けた先にある小さな丘。
その丘の上全部が杉原家のお墓だったのだ。
見晴らしがよくて風当たりのいい丘の上のお墓は、とても綺麗に手入れされている。
飾られたばかりに見える花は生き生きとしているし、雑草も見当たらない。
その墓の奥の方に小さな墓石があり、あたしたちはその前で足を止めた。
「これがおつねの墓だよ。他よりも小さくしてあるのは、墓を荒されないためだ」
春子のお父さんの説明に、あたしはまた胸が痛んだ。
死んでからも人々に恨まれるというのは、墓も所在までひっそりとさせなければならないということなんだ。
おつねは今だに息苦しい思いをしているのかもいれない。
それなら、早く開放してあげたい。
頭部を見つけて、楽にしてあげたい。
その思いから、あたしはおつねの墓に手合わせた。
その瞬間……。
「私はまだ死んでない!!」