人面瘡

雄生の言葉にあたしは更に焦り出した。


どうしよう、完全に勘違いされている。


「あたしはこうして雄生と一緒に歩きたかっただけ！」


勘違いをされることが嫌で、思わずそう言ってしまった。


言った瞬間、しまったと思う。


今のセリフはまるで告白みたいだ。


そう思ってそろりと雄生を見ると、雄生はいつもの笑顔だった。


「そっか。アズサにそう言ってもらえると俺も嬉しいな」


「え……？」


「子供の頃はいつも一緒にいたけど、だんだん距離ができてきてたじゃん俺ら。ちょっと気になってたんだよなぁ」


「そう……だったんだ？」


2人の距離が離れて行くのを気にしていたのは、あたしだけじゃなかったんだ。


「昔みたいに一緒に遊べたらいいのにって、思ってた」