人面瘡
☆☆☆

数時間の間に分厚い皮膚に覆われた傷口を、あたしは包帯を巻いて隠すことにした。


ガーゼだと剥がれてしまうかもしれないからだ。


こんな気持が悪いもの、誰にも見られたくなかった。


「ちょっと、その足どうしたの?」


お風呂から出て来たお母さんがあたしの足を見て驚いた声を上げた。


お風呂から戻って来る前にパジャマを着て誤魔化そうと思っていたのに、間に合わなかった。


あたしは仕方なく、傷口を見せる事にした。


包帯の下から出て来た凹凸にお母さんは眉をよせた。
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