人面瘡
デートの約束
包帯をまいて教室に入ると、みんなが心配してくれていた。


「お前、本当に大丈夫かよ?」


真っ先に駆けつけてくれた雄生が心配そうにそう言う。


「ありがとう。大丈夫だよ、痛みとかはないし、普通に歩けるんだから」


雄生が心配してくれたことを嬉しく感じながら、あたしはそう返事をした。


「アズサ、午前中のノート見る?」


そう言ってくれたのは春子だった。


手にはノートを持っている。


「ごめんね春子。助かるよ」


あたしはそう言ってノートを受け取った。


といっても、これ全部をうつすのは大変そうだ。


そう思っていると、「手伝おうか?」と、沙和が声をかけて来た。


「え、いいの?」


「そのくらい大丈夫だよ。おさらいにもなるしね」


そう言い、あたしの手からノートを半分取った。
< 48 / 204 >

この作品をシェア

pagetop