人面瘡
あたしの机に椅子を移動してそこに座る沙和。


「ジンクス、どんな感じ?」


ノートを書き写す手伝いをしてくれながら、沙和がそう聞いて来た。


あたしは昨日の放課後の出来事を簡単に説明して聞かせた。


沙和は時々頷きながら話を聞いてくれた。


「すごいね。ジンクスを始めてからどんどん2人の距離が縮まってる気がする」


沙和はノートから視線を上げて目を輝かせた。


あたしは照れくさくて笑って見せた。


「あたしも、そう思う」


元々幼馴染だったこともあるけれど、きっとそれだけじゃない。


これからだってジンクスを続けていればいいことが起こりそうな予感がしている。


「明日は休みだし、デートに誘ってみればいいのに」


沙和の言葉にあたしは自分の顔がカッと熱くなるのを感じた。
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