人面瘡
「やっぱりジンクスは本物だったんだよ、沙和」


『そうだね。ジンクスを始めてからどんどん好転して行ってるもんね』


「雄生と付き合う事ができたのは沙和のおかげだよ」


『なに言ってんの! ジンクスもかもしれないけれど、アズサが頑張ったからだよ!』


そう言ってもらえると、自分の努力が無駄ではなかったと思えて胸の奥がジンッと熱くなった。


なにより、あたしの事でここまで喜んでくれる沙和に、化案どうしてしまいそうになる。


『で、何がどうなって付き合うことになったの?』


好奇心を剥きだしにした沙和の言葉に、あたしはプッと笑い、今日の出来事を話し始めたのだった。

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