人面瘡
☆☆☆

足の痛みもなく、軽快に歩いて来たあたしは約束時間の10分前にファミレスに到着してしまった。


雄生の姿はまだなく、1人で窓際の席に座った。


綺麗になった自分の右ひざを見て思わず顔がにやけてしまう。


怪我をしてからずっと絆創膏や包帯を巻いていたから、今は足が軽くなった感覚まであった。


ドリンクバーを注文して待っていると、息を切らした雄生がやって来た。


「悪い。遅刻した?」


「ううん、まだ5分前」


あたしはスマホを確認してそう言った。


「よかった」


雄生はホッと胸をなで下ろしたようでほほ笑んだ。


「ドリンクバー2人分注文しといたよ」


「お、サンキュ、アズサ」

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