人面瘡
「待ってアズサ……自分で傷を切り取ったの?」


「うん。カッターでね」


そう言うと、沙和は泣きそうな顔になってしまった。


「なんでそんな危ない事をするの!?」


「ごめん。あたしもパニックになってて衝動的に切り取ったの」


「それでも、顔はまた出て来たんだよね?」


「そう言う事」


あたしが言うと、沙和は黙り込んでしまった。


「とにかく、みんな心配してたよ」


しばらく沈黙が続いた後、沙和がそう言った。


「うん……」


「明日、学校に来れそうだったらおいでよ」


「そうだね」


「でも……無理はしないでね」


もう、何を言っていいのかもわからないのかもしれない。


沙和は他愛のない会話をした後、帰って行ってしまったのだった。

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